中学3年生国語 「春に」
中学3年生国語で「春に」を扱いました。
この気持ちは何だろう
この気持ちは何だろう
目に見えないエネルギーの流れが
大地から足の裏を伝わって
この気持ちは何だろう
暖かく普遍的な内容の詩として選んだのが、谷川俊太郎少年詩集「どきん」(理論社)に収録されていた「春に」。希望と不安が入りまじった若々しい心理と、春の情景がオーバーラップした実にのびやかないい作品です。
「春」という言葉を広辞苑で調べてみると、“四季の最初の季節。勢いの盛んな時。思春期。”と記されています。思春期は、悩み事が多く日常が嫌になったり逃げ出したくなる時期です。
この心情を、作者は
よろこびだ しかしかなしみでもある
いらだちだ しかもやすらぎがある
あこがれだ そしていかりがかくれている
心のダムにせきとめられ
よどみ渦まきせめぎあい
いまあふれようとする で表しています。
そしてまた、思春期は、夢と希望に溢れた瑞々しい時期でもあります。それを
あの空のあの青に手をひたしたい
まだ会ったことのないすべての人と
会ってみたい話してみたい
あしたとあさってが一度にくるといい と書いています。
この詩で多様されている「この気もちはなんだろう」
それは、壮大な「春」「青春」を目の前に、まさに飛び立とうとする私達の希望と、そして少しの不安が入り混じった、複雑な心持ちではないでしょうか。今の中学3年生の心境にぴったりではないでしょうか。